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経団連 就活解禁ルール 廃止のニュースに関して

経団連 中西宏明会長が就活解禁ルールを事実上廃止することを言及したことに端を発した今回のニュースですが、いろいろと報道されましたが、結果【現状維持】に落ち着きました。

就職・採用活動の新ルールを定める政府の「関係省庁連絡会議」は29日、現在の大学2年にあたる2021年春入社組について、会社説明会を「3年生の3月1日」、選考を「4年生の6月1日」にそれぞれ解禁する現行の日程の維持を決めた。22年春入社組も21年と同じ日程にする方向で一致した。(読売新聞 2018年10月29日)

ですが、今回の中西会長の問題提起は、「(就活のスケジュールを)経団連が定める問題ではない」という発言から踏み込んだ、「(固定化されたスケジュールでの一括新卒採用を)考え直す時期に来ている」、更には(終身雇用、年功序列など)日本型の雇用慣行自体の終焉が徐々に迫っていることに対して、企業側、学生側へ伝えたかったのではないかと思います。

ですので、今回の【現状維持】でこの議論を終わらせるのではなく、企業側、大学側はもちろんですが、何よりこれから社会に出ていく大学生の皆さんには、自身の卒業後のキャリアを考え、有意義な学生生活を過ごす契機に少しでもなれば、と願っております。

下記、シンプルな記載となりますが、当方が各位について伝えたいことを記載します。

1:企業側が考えること

正直なところ、スケジュール変更なしで、大きな変化は生まれず、既に様々な取り組みをしている企業を中心に、早期化、多様化は引き続き、実施されていくと思います。中途採用では当たり前ですが、事業戦略、経営戦略に沿った人材獲得の意識を(母集団形成や選考プロセスごとの目標人数などの数を揃えること以上に)強く出来るか否かは、企業の成長、若手層の活躍に差が出るかと思います。

2:大学側が考えること

企業側同様、胸をなでおろしている方が多いのではないかと思いますが、キャリア教育、就業体験、産学連携を上手に活用し、学生の学習/研究/探求意欲を掻き立てる方法を模索してほしいと思います。社会との多様な接点を通じて、キャリアを早期に考える機会をつくることを願っています。(※余談ですが、開成などの私学ですと、中学1年生からこうした(「ようこそ先輩」)社会人OBの話を聞く機会があります。大学1年、2年時へのキャリア教育が早すぎるというのは決して無いと思います。)

3:学生側が考えること

様々な企業や社会人と触れ合える機会は(社会に出ると分かりますが)本当に貴重です。特に本格化前のインターン、OBOG訪問は機会が増え、利用出来るツールも増えていますので、積極的に活用してほしいと思います、また、以前より就活についても企業についても情報が得やすくなっています。昨今では就活そのものの情報共有(※説明会、ES、面接選考等)に限らず、ヴォーカーズなどを通して、企業の実態把握が出来るようになりました。様々な接点、ツールを活用し、自分の判断軸を持ち、有意義な就活を送ってほしいと願っています。

尚、下記は、廃止報道の最中で書いた記事ですが、こちらに対して追記コメントを添えたいと思います。主に人材ビジネス側の事情も踏まえた内容となっております。

===(以下、以前の記事となります。)===

今後の議論の進捗にも応じて、随時、記事情報を更新しようと考えておりますが、下記などが議題として挙げられるかと思います。

1、時期の問題

 -ルール廃止。でも決めないといけないことが...。

たとえば、リクナビ、マイナビを始めとする各就職ナビは近年3月OPEN(採用広報解禁)となっておりますが、ここが廃止されると「いつOPENするのか?」という問題があります。リクナビもマイナビもキャリタスも3月1日OPENで横並びでしたので、仮にルールがなくなった場合にどうするのか?という問題が出てまいります。システム上も2018年版と2019年版で商品設計、機能改善、追加を行ったり、サーバー増強を行いローンチするケースもあったため、常時OPENになる場合は、これらの対応を考える必要が出てきます。サイト運営会社はもちろんですが、パートナーであるSIer等との対応、協議が必要となります。また細かな話ですが、採用ホームページも3月1日に合わせて制作する流れがありますもので、WEB制作、動画制作、説明会参加者用のパンフレット、ノベルティ制作などのクリエイティブ・ディレクションにも影響が出てくるかと思います。

経団連非加盟企業、外資、ベンチャー/スタートアップ等はそれ以前に活動を行っているケースが多く形骸化されていると言われているものの、多くの人材ビジネス企業、企業人事、学生はこのルールにある程度沿って動いていたのは事実で、足並みが揃わなくなった場合、どういった動きになるのか注視されています。

→こちらについては、3月1日OPENで、大半のスケジュールを変えず動くことになるかと思います。一般的な動きで新卒採用を行う企業とその支援をする人材サービス企業には変化がない点で良くも悪くもホッとされたかと思います。
一方、以前より早期に採用活動を行っていた企業群は、一層(早期にアクションを起こす優秀層の接触、獲得に向けて)早期の接点数確保、採用直結インターンの実施等を行うかと思います。

2、早期化

 -通年採用、1、2年生(回生)への対応など、どんな動きが出てくる?!

また、今回の報道で良く出てくるのが「早期化」というポイントです。そこで考えられるのは、早期接点の手法としてこれまでも用いられているインターンシップがより一層活性化する点だと思います。3年の夏を活動の主戦場としていた各社が開催時期の前倒しや回数を増やすことが考えられますので、当該サービス事業者、支援会社には追い風になるかと思います。学生にとっては、複数の業界、企業のインターンシップにより参加出来る可能性が増えるのではないでしょうか。

尚、個人的には、インターンシップは有意義だという考えを持っております。たとえばマーケティングを専攻する学生にとって、消費財のマーケティングに実際関わる体験をすること(例:P&Gやユニ・チャームのインターンシップに参加する等)は、そこでの実体験を経て、学業に熱が入ったり、より追求したいことが明確になったり、データ分析など掛け合わせて学びたい領域が増えたりとその後の学業にも活きる経験が得られると思うからです。これは3年の夏、冬ではなく、もっと早期にこうした機会が得られる方が望ましいのではないかと思います。バッティング、重複のハードルが低く、多くの学生との接点が創出されることや認知度向上目的(=就職人気ランキングの上位ランク狙い)などで用いられる側面もある、ワンデーインターンシップのようなものから、より多用なスタイルのインターンシップが時期が複数(2年次夏、冬、3年次夏など)に及んだ場合、創出されるのではないかと期待しています。その際、学生と接点を持ってからの期間が長期化しますので、タレントマネジメントシステムやインターンシップ応募者管理とその後の本選考案内など、システムでの学生情報管理のニーズは増すのではないかと思います。

早期化側面で挙げられるもう一つの点が、1、2年生(回生)の対応です。新聞メディアでは否定的な報道(1年次から就活させるの?!)も見られましたが、自身の将来について考えるきっかけが増えることはもう少しポジティブに捉えてもいいのではないかと思います。就職観、人生観、キャリア観などを早期に考え、専攻する学問にも活かす、専念出来ないではなく、専念する必要がなくなり、相互に良い作用を及ぼす、及ぼせるために、どういう就職活動の機会創出が出来るのかを議論出来ればと思います。

昨今、「ビズリーチ・キャンパス」などOBOGとのコミュニケーションサービス(アプリ)を開設する動きが続々と出ておりますが、そうした機会は早くて悪いということは一切ないと思います。早期化により、同様のOBOGネットワークサービスは増えていく傾向にあると思いますので、リクルーターの役割が増え、現場社員も積極的に自社の新卒採用活動に加わる、学生のメンタリングをすることになると思います。

→こちらについては、今回の【現状維持】決定に影響を受けずに、活性化(微増)するかと思います。1、2年生時に就職観、人生観、キャリア観などを早期に考え、専攻する学問にも活かす機会が増えることを願っています。

3、多様化

 ー採用手法、就活時期、入社時期さまざまな選択肢を与えて、門戸を広げる就活に

上記の早期化と共に実現に向けた土壌が整うことを願うのが、多様化です。3年、4年次の就活タイミングを逃すと、(説明会参加~ES提出~選考~内定の流れに乗れず)チャンスが得られないという状況下で、そのタイミングに動けなかった学生の可能性が閉ざされているケースが多々ございます。

例:留学中の学生、公務員試験、資格試験、院試をメインに活動していた学生など

昨今は既卒(未就職)生に対しての応募門戸を広げる企業様が増えてきており、いい傾向だと思っておりますが、3年次でも4年次でも、そして卒業後でも応募が出来る、そうしていいんだよという空気感が生まれると、学生時代の時間の使い方により一層自由度が生まれるのではないかと思います。また一部の企業様では実施されていますが、4月入社だけではなく、10月入社というタイミングも生まれれば、留学生、既卒生受け入れの広がり、卒業後の留学経験など時間の使い方に選択肢が生まれるかと思います。(※毎月は年間で複数は難しいかと思いますので、年2回タイミングがせめてあれば...と思います。)

尚、人材ビジネス観点ですと、

(1)対学生/個人

  • 留学経験者の就活支援(※現状、ボストンキャリアフォーラムが圧倒的な影響力)
  • 公務員試験や学業に専念し、卒業を迎える、卒業した方への就活支援

(2)対法人

  • 新卒採用活動多様化に向けた設計・オペレーションのアドバイス、支援
  • 多様な人材を招くことによるプラス効果を検証/情報提供
  • (超大手企業等を中心に根強い)4月入社/同期-年功序列制度を緩やかに緩和することを支援

など業界として企業として出来ることを事業化、支援していければと思います。

「じっくり吟味して欲しくない。」、「新卒採用活動は短期集中で終えたい。」、「一括で対応し、手間暇を極力軽減したい。」というのは業界、採用する企業のホンネの一部であると思いますが、結果的に、それが「内定辞退」、「早期離職の原因」、「(悪い意味での安定志向の強い)学生の採用」、「横並びを意識した硬直化した人事制度」に繋がってしまっているのであれば、それを抜本的にとは言わないものの変えていくきっかけとして、今回の廃止の議論が繋がること、皆がゼロベースで考え直すきっかけになればと思います。

(※そこまで踏み込む場合、人事関連のコンサルティングニーズが一層拡大する可能性があります。)

また、上述以外にも

  • 早期化、多様化となる場合、学内キャリアセンターの重要性、役割が増す
  • 就職支援企業が大学側へ踏み込んだ支援、サービス提供を行う可能性が出てくる
  • 各業界、企業が大学、学生へ対して踏み込んだ機会提供を行う可能性が出てくる

などもあると思います。就活と学業は切り分けるもの、と考えず、相互作用し、学生にとって有意義な形に議論が進んでいくことを願っています。

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