はじめに(人材業界への転職に興味を持たれた方へ)
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など、経済ニュースを通して、こうしたワードを耳にすることもあるかと思いますが、企業にとっての人材獲得、人材育成は、企業が経営、事業を継続していく上で欠かせず、また、個人にとっての就職、転職、キャリアなどは、社会人が生活を営んでいく上で欠かせず、この双方は切っても切り離せないものだと思います。
そうした企業様や個人のみなさまに対して、課題解決に繋がる情報提供やサービス、プロダクトの提供を行うことで、人事・組織・キャリアなどの側面でお役に立っているのが、ご紹介する【人材業界】になります。
人材業界でのキャリアを踏み出そうと考えている方々に少しでもお役に立てましたら幸いです。
人材業界が向き合う社会課題とは?
人材業界に横たわる最大の社会課題は、人口減少に伴う労働力の減少だと思います。
下記は、人口の長期的推移のグラフとなります。
【出典】総務省HPより
2023年4月1日現在の日本の総人口は、1億2,447万人。
前年同月比60万人減となり、人口減少の流れが既に始まっています。
同時に進んでいる事象が「高齢化」で、2015年に65歳以上の人口が3,379万人なのに対して、2025年には3,677万人、2035年には3,782万人になると予想され、高齢化率(総人口における65歳以上の割合)が40%に迫る超高齢化社会を迎えます。
このままでは、社会活動を支える労働力が需要に対して足らず、経済・社会活動を支えることができない状態に陥る可能性が高いことを意味しています。
【出典】総務省HPより
どうして支えることができなくなる可能性があるかを表す図、データのひとつが年齢区分別の人口推移となります。
上記の図で、
■1970年
だったものが、
■2050年(予想)
となっており、ただ単に人口が減るだけではなく、より少ない生産年齢人口(15歳~64歳)によって、社会を支えていく必要がある、少子化、高齢化が極端に進行することがお分かりいただけるかと思います。
その中で、人材業界は、企業・個人に対して、サービスを提供し、上記の課題解決の一助を担っております。
■提供サービスの例:
・【学生向け】学生の就職支援や就職情報の提供を行うことで、労働市場に労働者を供給する ・【社会人向け】転職支援(求人広告・職業斡旋)を行うことで、労働力を移動させる ・【シニア向け】シニア人材の活用を通して、労働者の減少を防ぎ、雇用のなり手を増やす
・研修サービスの提供(新入社員、新任課長職など階層別、またコンプライアンス遵守等、テーマ別研修) ・リスキリングの機会を提供することで、職種転換を支援する ・動画マニュアルやオンライン学習ツールの提供を通して、入社・配属時の立ち上がりの支援、補助的役割を果たす
・クラウドツールの提供による業務効率化と管理体制の強化 ・データ活用による人事戦略の支援 ・アウトソーシングサービスの提供 |
また、国によって、法律や制度が定められているため、人材業界も法制度の影響を受ける業種となります。
今後の雇用や労働力のあり方を考え、必要に応じて見直しをしていく中で、法制度を適宜改定しています。
■法改正の例:
ー 65歳までの雇用確保(義務)に加え、65歳から70歳までの就業機会を確保する(努力義務)
ー 育児休業の分割取得(2回に分けた取得)が可能になったこと等
ー 月60時間超割増率引き上げ(割増率25%から50%へ引き上げ)等 |
労働人口が減少している中で、経済活動・社会活動を維持していくために、国ができることもありますが、民間企業である人材業界の各社が労働供給、キャリア支援、育成支援、HRTech関連のクラウドサービスの提供などを通して、課題解決に向けて、サービスの提供を行っている、少し難しいお話をいたしましたが、そうした大枠がざっくりでも理解できましたら幸いです。
コロナ禍での人材業界の状況は?
先の労働人口のお話では、中長期的な軸で人材業界が向き合う社会課題についてご説明をいたしましたが、直近の業界の状況についてもご説明いたします。
人材ビジネス・人材業界は、特に2020年4月~6月の緊急事態宣言発令下では、中途採用活動の停止に伴い、業績を一時的ではあるものの大きく下げる事態となりましたが、2023年時点では、業績をコロナ前の売上に戻す、またはそれ以上に伸ばす企業が増えております。
また、コロナ禍の働き方の変化、ビジネス環境の変化に伴い、新たな採用・育成・人事制度・労務管理などのニーズが発生し、企業・個人双方に対する新たなサービス提供を行い、成長を遂げております。
ですので、2023年現在の状況は非常に活況です。
各社積極的な事業拡大を図っており、中途採用も積極的に行っております。
【参考データ】半期毎の転職紹介人数
活況を表す具体的なデータのひとつとして、下記の転職支援実績数の数値を共有いたします。
前年同期比132.6%、142.9%という前年対比の数値が、伸びている状況をよく表しているかと思います。
※人材協発表の転職支援大手3社(リクルート、パーソルキャリア、ジェイエイシーリクルートメント)の紹介支援実績数
人材業界に寄せられるニーズの例
【1】採用面
-即戦力採用ニーズの急騰
(経営環境の変化やスピードに対応するため、中途即戦力採用のニーズが増した)
【2】育成面
-育成ニーズの急騰
(事業再構築の流れで、業種・職種転換をグループ内で行う場合に学び直しのニーズが発生した)
【3】制度面
-人事制度や評価制度の見直しニーズの急騰
(コロナ禍でのリモートワーク実施に伴う人事制度改定や評価制度の見直しも図られた)
あくまで当社の集計比ですが、中途採用の年間採用計画がコロナ前の期の200%から300%ほどに及ぶ企業様も複数あり、人材業界内の中途採用マーケットは活況を呈しております。
転職エージェントとの面談を行ったら人材業界を奨められた、という方もいらっしゃると思いますが、人材業界内の求人状況が盛り上がっているため、異業種からの積極的な転身者を受け入れており、人材紹介コンサルタント、キャリアアドバイザーにとっても(内定が出る可能性を感じた方には)紹介しやすい業界のひとつとなっております。
※過去、人材業界の採用が活況だった時期が2005~2007年、2012~2019年などありますが、2022~2023年の現在も過去の活況時以上の状況と言っても過言ではありません。
人材業界での仕事の選び方。3つの軸(法人・個人・テクノロジー)
人材業界の中でどんな仕事を行うか?行いたいか?を考える上で、3つの軸が考えられます。
ひとつ目は、法人軸。2つ目は、個人軸。そして3つ目は、テクノロジー軸です。
【1】法人軸
-企業経営のうえで欠かせない、人・組織の領域に関わり、企業成長、事業成長を支援すること
【2】個人軸
-個々人の働き方やキャリア形成が多様化している中、個人の就業支援・キャリア形成、また仕事を通した成長、自己実現を支援すること
【3】テクノロジー軸
-テクノロジーを活用した、人事戦略、働き方の変化を実現すること
3つ目のテクノロジー軸については、関わりの濃淡は別として、人材業界のすべての仕事に無くてはならないものになっておりますが、アナログ感の残る仕事と、そうではない仕事で、差異がございますので、どのくらい重要視されたいかで選ぶ仕事や領域が異なってくると思います。人材業界内で、上記を基に希望の軸に沿った仕事を選ぶ場合、下記のような職種が該当いたします。
(1)法人軸の場合の仕事選び
■転身理由の例:
「企業経営、事業運営にとって、ヒト・組織の問題が非常に重要で、(融資を通した解決ももちろん顧客支援のひとつだと思うのですが、)人材領域での課題解決に興味を持ちました。」(銀行・法人営業出身)
「オーナー経営者様の資産運用のコンサルティング以上に、本業支援がしたい気持ちが強くなり、多くの経営者様が日頃の面談で吐露されていた、採用面の課題解決に向き合いたくなりました。」(証券会社・リテール営業出身)
「無形商材で、お客様の抱える課題やニーズに合わせて、自社のサービスを提案、提供できること。また裁量が与えられ、スピード感を持って働けるフィールドだと感じ、転身を決めました。」(食品メーカー・ルート営業出身)
(2)個人軸の場合の仕事選び
■転身理由の例:
「自社の新卒採用担当は、当然ですが、自分の会社しか紹介できず、学生さんとの対話を通して、アドバイスや具体的な求人紹介を行う、キャリアアドバイザーの仕事に興味を持ちました。」(百貨店・人事出身)
「個人のお客様に向き合う仕事をしておりますが、退職後の資産家のお客様への営業活動は、"仲良くなる"こと、"孫のように可愛がってもらうこと"に主眼が置かれた関係構築がポイントとなっており、向き合う個人顧客の層を(同世代のビジネスパーソン等に)変えることで、課題解決力や提案力を一層磨きたいという気持ちが強くなりました。」(証券会社・個人営業出身)
(3)テクノロジー軸の場合の仕事選び
■転身理由の例:
「アナログな業務フローを廃し、デジタル化で作業時間を短縮し、より戦略的、創造的なことに時間を割くことができれば、働く個人、組織、事業へ大きなインパクトを与えられるのではないかと思い、HRTechサービスを世に広める仕事がしたいと思いました。」(専門商社・法人営業出身)
「営業自体は好きなのですが、週5フル出社の状況を変えたかったこと、お客様である中小企業もデジタル化が進まない状況が経営課題ではないかと感じていたため、提案商材と働き方のシフトの両面を叶えるため、転身しました。」(銀行・営業出身)
■ 補足 ■
~ HRTech企業を選ばずとも、大手人材サービス企業はHRTech商材を取り扱っています ~
求人メディアを運営している大手人材サービス企業でも、自社でHRTech商材の取り扱いがあるため、お客様のご要望、ニーズに合わせて様々な自社商材、サービスを提案・提供したい場合、HRTech企業ではなく大手人材サービス企業のほうがご希望、ご志向に沿う可能性がございます。
スタートアップなどのHRTech企業のプロダクトやミッション、ビジョンに共感、強い興味関心を抱いたり、当該企業の組織風土やカルチャーに魅力を感じている場合は、HRTech企業にジョインするのが宜しいかと思います。
また、就業環境や報酬など雇用条件や雇用環境次第で、総合的に判断頂くのが良いかと思います。 |
コロナ禍前にも、もちろんインターネット、WEBのちからを活用したサービス(例:転職サイト、WEB適性検査、採用業務管理システム)などはございましたが、緊急事態宣言に伴う在宅勤務という働き方に数多の企業様がなったことに伴い、テクノロジーを活用したサービスを人事領域・人材サービス領域で生み出す機運は高まっており、顧客課題解決の「手触り感」を得やすい旧来型の法人企業支援、個人支援側と手触り感よりも「影響範囲の広さ、広がりで顧客課題解決を行いたい」クラウド・SaaS領域のHRTechサービスに関わるかで、働き方や企業選定にも差が出てまいります。
人材業界での仕事の選び方。2つの違い(手触り感・影響範囲)
完全に分かれ、一方はあり、一方は全くない、という訳では決してございませんが、手触り感や介在実感を味わいやすい職種とそうではない職種、影響範囲が広いと感じられるものとそうではない職種はございまして、自身が仕事を通して得たいもの、大切にしたいものがどちらかというのを知った上で、応募職種や事業内容の選択もされると良いかと思います。
【1】手触り感を得やすい
【2】影響範囲の広さを感じやすい
なお、既に人材業界で仕事をされている方でも、この両軸の行き来をされるケースはございます。
人材業界から人材業界への転身事例
■人材業界内での転身事例1:
【前職】人材紹介会社の法人営業(RA)
【転職先】 HRTech企業のカスタマーサクセス
【転職理由】「(IT・テクノロジーの力を使って)多くの方に対して、いい影響を与えられるプロダクトに関与したくなりました。」
■事例2:
【前職】求人メディア運営企業の法人営業職
【転職先】人材紹介業のコンサルタント(RA・CA両面対応)
【転職理由】「転職希望者の方とダイレクトにお会いする機会はなく、採用成功の実感を味わいにくかった。より自身が介在して支援をする実感を得たく、人材紹介業の両面型の営業職に転身しました。」
■事例3:
【前職】人材紹介会社の法人営業(RA)
【転職先】人材育成・組織開発のコンサルタント(法人営業)
【転職理由】「採用成功に至った担当企業様で働く方々のその後が気になりました。中途入社者の受け入れ体制や育成、また1人1人の社員の方がイキイキと働くことが出来たり、組織風土を良くしていくなどを通して、その企業のひとと組織をより良くしていくことなどに関与していきたいという思いが強くなり、転身を決意しました。」
総合系の大手人材サービス企業、人材情報メディア運営企業などへの入社されますと、転職をせず、社内異動という形で上記のような転身が叶うこともあるため、キャリアパスの選択肢を多様に検討していきたい方には、総合系の大手人材サービス企業へ入社され、他の仕事についても(同僚の仕事振りを見ることで)理解を深め、自身が望むキャリア、仕事内容を同一企業(グループ)内で実現する方法もございます。
当社、HRスクエアは、営業職系中心ではございますが、上記記載の領域、職種に全て対応しておりますのと、気になる方もいらっしゃるかもしれませんが、その後の人事職への転身も支援実績が多数ございます。下記情報もご覧いただいた後、ぜひお気軽にご相談くださいませ。ここまでご覧頂き、人材業界への転職・キャリア相談をご希望の方は、下記バナーからお問い合わせください。
人材業界研究 ~ 人材業界の概要や仕事内容を解説 ~
人材紹介業界について、詳しく知りたい方へ
人材紹介業界への転職を検討されている方に絞った解説を行ったページがございます。
人材紹介業界の概要、人材紹介業のビジネスモデル、法人営業(RA:リクルーティングアドバイザー)、個人営業(CA:キャリアアドバイザー)の仕事についての説明も記載しております。ご関心をお持ちの方は、下記リンク先をご覧ください。
当記事執筆者:株式会社HRスクエア 代表取締役 江口 一樹
■経歴:
新卒から現在に至るまで20年以上に渡り、一貫して中途採用支援、転職支援の業務に従事しております。
大手人材情報メディア、人材サービス企業、人材紹介会社、HRTech企業各社様を自身が担当しており、人材業界への転職を希望される皆様、人材業界に在籍されている皆様、人材業界の経営者様、人事担当者様と日頃より密なコミュニケーションを図っております。
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