M&Aコンサルタントに資格は必要?【M&Aに関する資格とは?/M&A実務に役立つ資格はある?】
M&Aコンサルタント、M&Aアドバイザーの仕事を行う上で、資格は不要です。
資格がなくとも、M&Aコンサルタント、M&Aアドバイザーの業務は出来ます。
但し、ディールを進めるにあたり、専門家の先生方の力を借りる必要は必ずありますし、M&Aコンサルタント、M&Aアドバイザー個人として、持っていたほうがプラスに働く資格(知識)はございます。
そこで、こちらでは、M&A実務に関連する国家資格とM&Aコンサルタントを対象とした民間資格、M&Aコンサルタントなどを対象とした講座、M&Aコンサルタントの実務に活きる資格についてご紹介いたします。
【1】M&Aに関わる国家資格
【2】M&Aに関する民間資格
【3】M&Aを学べる講座
【4】M&Aコンサルタントの実務に役立つ資格
1.M&Aに関わる国家資格
【解説・補足説明】
1.公認会計士
M&Aにおいて必要な専門家として、業界未経験者の方にも思い浮かぶのが公認会計士ではないでしょうか?
売り手側であれば、(依頼したM&A仲介会社のインハウス公認会計士(若しくはM&A仲介会社から委託を受けた公認会計士)による)企業価値評価や財務状況の整理を行い、M&A仲介会社、M&Aアドバイザリー会社へ報告・提出し、買い手側であれば、財務DDなど、公認会計士の力を借りるシーンは多数あり、M&Aコンサルタントとして活躍の暁には、頼りになる方々だと思います。
2.税理士
税理士の先生には、税務面からの支援(売り手・買い手双方)を行います。
売り手側であれば、M&Aを実行する手順や手法(株式譲渡や事業譲渡、合併、第三者割当増資など)を検討するためのアドバイスがあり、買い手側であれば、税務面での実態把握やリスクについて調査します。
3.弁護士
売り手であれば、契約書締結前の作成、ドラフトのチェック、リスク回避や希望・条件をどう契約書に反映させるかの助言を行います。買い手であれば、売り手側同様、契約書に関する助言はもちろんのこと、法務DDで、株式、取引先との契約、許認可、訴訟等、リスク回避、実態把握を徹底的に調べ上げます。
2.M&Aに関する民間資格
「M&Aエキスパート認定制度」は、一般社団法人金融財政事情研究会と日本M&Aセンターが運営する、事業承継・M&Aの専門家を養成する、M&A総合支援資格制度です。
2012年開始から2020年9月時点までで、有資格者が30,000名を超え、オーナー経営者から事業承継の相談を受ける可能性の高い金融機関(メガバンク・地方銀行・信用金庫)や会計事務所などの方々が多く受検しています。
尚、資格は3段階に分かれており、
・基本的な知識を身につけることが出来る「事業承継・M&Aエキスパート」
・事業承継分野における上級資格である「事業承継シニアエキスパート」
・M&A分野における上級資格の「M&Aシニアエキスパート」
があります。
スタンダードの「事業承継・M&Aエキスパート」は、
- 受験資格 なし
- 実施期間 通年
- 会場 全国約200ヶ所
と、大変受験しやすい形となっております。
尚、出題範囲は、
1.事業承継関連税制等
2.事業承継関連法制等
3.M&A基礎知識・関連会計
4.M&A関連法制等
5.総合問題
で、100点満点で70点以上で合格となります。受験手数料は、税込 7,700円です。
同試験の問題集(金融業務2級 事業承継・M&Aコース 試験問題集)は、Amazonで発売されております。画像をクリックするとAmazonへリンクしますので、気になる方はご覧ください。
また、試験対策のための学習用として、下記の書籍も参考になさってください。
■本/書籍名:中小企業M&A実務必携 M&A概論編
■著者:M&Aシニアエキスパート養成スクール事務局 (著, 編集)
■出版社:きんざい
■出版年月日:2017/5/29
▼画像をクリックすると、Amazonのページへリンクいたします。
3.M&Aを学べる講座
資格取得ではございませんが、M&Aを学べる講座がございます。
デロイト トーマツ アカデミーでは、
・M&Aプロフェッショナル養成講座(売り手担当か買い手担当のいずれかのFA想定)
・M&Aシリーズ(買い手企業内担当者想定) の2つに分かれて講座が設けられており、具体的には、
・M&Aプロフェッショナル養成講座
M&Aマッチングサイトの活用方法
会計事務所のM&A体制構築
中小企業M&Aの失敗事例と対応策
M&Aプロフェッショナル養成講座 ~理論編~
M&Aプロフェッショナル養成講座 ~演習編~
M&Aプロフェッショナル養成講座(対面セミナー)
・M&Aシリーズ
M&A入門
M&A実務入門
企業価値向上のためのM&A戦略立案
株式価値評価とM&Aの投資判断
M&Aを成功させるための統合実務
M&A手法を通じた海外事業展開の要点~海外M&Aにおける重要ポイントと経営トップの役割~
M&A実務入門 (対面セミナー)
M&Aを成功させるためのPMI実務入門 (対面セミナー)
株式価値評価とM&Aの投資判断 (対面セミナー)
を個別に受講することが可能です。
バトンズM&Aアドバイザー実践講座は、毎月1クール(全4回)オンライン受講で実施されており、1講座のみとなります。
M&A実務経験が豊富なバトンズ経営陣が主に講師陣を務め、実際にバトンズ(テストサイト)を活用したアドバイザー業務の実体験等、修了後、M&Aアドバイザーとしての実務にすぐ活かせる内容となっているのが特徴です。
4.M&Aコンサルタントの実務に役立つ資格
数字のことは会計士や税理士の先生に任せれば大丈夫。
確かに、そうなのですが、オーナー経営者様や買い手側の経営者様、またM&A担当者様とやり取りを行う、M&Aコンサルタント、M&Aアドバイザーが数字のことが全く分からない、という訳にはいきません。
ですので、最低限、決算書を読めるレベルまでは知識を蓄える必要があり、それに適した資格が簿記の検定試験になります。
全ての企業が課している訳ではございませんが、「簿記2級」レベルの知識・理解があることは前提となっているため、今後、M&Aコンサルタントへの転身をお考えになっている方は、書籍や通信講座等で、学んでみることをおすすめいたします。まったく知識がない、という場合は3級のテキストや問題集から始めてみても良いかと思います。
また、FP(ファイナンシャル・プランナー)も売り手側担当として、オーナー経営者様の様々なご事情、ご意向を伺う際に、主題である事業承継M&Aのご相談以外にも、個人資産の管理や相続の相談に渡る機会もゼロではありません。特に、M&A成立後、株式・事業譲渡で得た資金のファイナンシャルプランニングといったお金の相談はFPの業務範囲のため、資格や保有知識が有効活用されるケースがございます。
金融機関からM&A仲介会社、M&Aアドバイザリー会社へ転職される方などは、簿記やFPの資格を既にお持ちの方も多くいらっしゃいますが、それ以外のフィールドから転職を考える方は、こうした資格についても(資格として取得するしないは別として)知識を蓄える意味で、有益ではないかと思います。
(参考)簿記試験対策のための学習用として、下記の書籍も参考になさってください。
■本/書籍名:スッキリわかる 日商簿記3級 第12版 [テキスト&問題集]
■著者:滝澤 ななみ(著)
■出版社:TAC出版
■出版年月日:2021/2/27
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■本/書籍名:80分でマスター![ガチ速]簿記入門 (扶桑社ムック)
■著者:金川 顕教(著)
■出版社:扶桑社
■出版年月日:2020/11/27
▼画像をクリックすると、Amazonのページへリンクいたします。
■本/書籍名:イメージで攻略 わかる!受かる!!日商簿記3級 テキスト&問題集 2021年度版
■著者:滝澤 ななみ(著)
■出版社:マイナビ出版
■出版年月日:2021/6/30
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■本/書籍名:簿記教科書 パブロフ流でみんな合格 日商簿記3級 テキスト&問題集 2021年度版
■著者:よせだ あつこ(著)
■出版社:翔泳社
■出版年月日:2021/2/22
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