はじめに
M&A業界は、元来からあった中堅・中小企業のオーナー経営者の高齢化の問題、後継者不在の問題に伴い、事業承継M&Aの成約件数は年々増加しておりましたが、コロナ禍において、経営環境がドラスティックに変化した影響も受け、経営、事業の存続のために、第三者承継を選択、決断するケースが増えております。
2020年4月~6月の緊急事態宣言発令下、またCOVID-19の感染状況によって、M&Aの進捗が滞る、また進捗が滞る中で、売り手(譲渡企業様)、買い手(譲り受け企業様)の双方、若しくはいずれかの事情でディールがブレイクする事象(M&Aの不成立)も発生しておりましたが、現在では、M&A仲介を行う各社の業績予測、支援実績(成約件数)も回復基調にあり、成長を遂げております。そして、新規参入を図る企業も増えており、著名企業の例では、オリックスが2021年11月より新規参入をしております。
そうした状況下において、弊社へもM&A仲介会社、M&A業界の各社様から、中途採用のご依頼を頂くケースが非常に増えております。
あくまで当社の取引先顧客の話ではございますが、年間の中途採用計画が前年や前々前比で、200%から500%など積極的な採用活動を行い、昨今のM&Aのニーズに応えようとする動きが活発化しております。
この度、本ページにアクセスして下さった方は、何らかのきっかけ、理由でM&A業界に興味・関心を持たれているか、既に近しいフィールドでご活躍されている方なのではないかと思います。
M&A仲介会社・M&A業界について、まず知りたいという方から、より理解を深めたい方まで、参考になればと思い、本記事を掲載いたしました。
M&Aの仕事を通して実現できること、得られることについて説明をしますと、上記のようなことが挙げられるかと思います。
詳しい説明については、下記に記載をして参ります。
お時間に余裕のある方は、ぜひ読み進めて頂けましたら幸いです。
当記事執筆者:株式会社HRスクエア 代表取締役 江口 一樹
■経歴:
新卒から現在に至るまで20年以上に渡り、一貫して中途採用支援、転職支援の業務に従事しております。
M&A仲介会社、M&Aアドバイザリー、M&Aプラットフォーム運営会社各社様を自身が担当しており、M&A業界への転職を希望される皆様、M&A業界に在籍されている皆様、M&A業界の経営者様、人事担当者様と日頃より密なコミュニケーションを図っております。
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M&Aコンサルタント、M&Aアドバイザーの仕事内容
(1)案件開拓から面談、仲介契約(アドバイザリー契約)の締結まで
この流れで進んで行きます。ひとつひとつ、解説いたします。
案件開拓の手法
初回訪問から契約締結(仲介契約・アドバイザリー契約)まで
【補足】契約内容に違いがあります
(2)企業評価、企業概要書作成から、マッチング、トップ面談、基本合意契約の締結まで
案件化(企業概要書などの書類を整える)
M&Aコンサルタントで差がつく、数値面以外の企業・事業理解と資料へのアピールポイント開示
その会社がどのような会社であるかを決算書などの数値面から経営状況をまとめることで理解頂くのはもちろんですが、加えて、決算書だけでは見えない、
を担当するM&Aコンサルタントが経営者様へのヒアリングや情報収集(例:業界動向や同業他社等も調べる、売上の割合や各社との取引状況などについても調べる)を通して、どれだけ理解・把握しているか、それを言語化し、資料に落とせるかは、買い手(候補)企業を探す、マッチングを進めていく上で大変重要です。
尚、それを仲介契約・アドバイザリー契約前に理解・把握していることで、自信を持って、契約のお話を前に進めことが叶いますし、同時にオーナー経営者様の納得感や(担当M&Aコンサルタントへの)信頼感へ繋がるかと思います。
オーナー経営者様の意向・希望の整理、確認
譲受(検討)企業への情報提供・情報開示、トップ面談、基本合意契約へ
(3)買収査定、諸条件交渉、株式譲渡契約書締結、クロージング
株式譲渡契約締結、M&A成立までの流れ
おわりに:仕事内容のパートな以上となります。
ここまで、仕事内容について説明をさせて頂きました。ご一読いただき、ありがとうございました。
仕事内容については、おおまかな流れは各社様ほぼ共通ではありますので、多少の差異はあるとは思いますが、今後転職、入社を検討されていらっしゃる方に少しでも参考になっておりましたら幸いです。
「では、江口さん、M&A業界はどこの会社に行ってもほぼ同じと考えていいのですか?」という質問が出てくるかと思いますが、そこは異なります。
など、やはりそれぞれの企業様毎に特徴、特色がございます。
自己応募をされる場合は、内定後にカジュアル面談を通して、また人事担当者様との面談を通して確認をしたほうが良いですし、当社のような人材紹介会社、転職エージェントを介した転職活動をされる場合は、そのあたりも確認しながら、自分の志向や希望に沿った応募企業の選定をなさってください。
IM(Information Memorandum)
NDA(Non Disclosure Agreement)
LOI(Letter of Intent)
MOU(Memorandum of Understanding)
DD(Due Diligence)
SPA(Stock Purchase Agreement)
M&Aコンサルタント、M&Aアドバイザーに求められる経験・スキル
採用要件(必須・歓迎要件)
採用・配属事例
例①:医療業界のM&A
(前職)
例②:IT・インターネット業界のM&A
(前職)
例③:製造業のM&A
例④:人材業界のM&A
(1)証券会社での法人・個人向けの営業経験者
(2)銀行での法人営業(RM)経験者
(3)金融業界以外の各業界の法人営業経験者
※(2021/9/30時点)直近3年間の実績。日本M&Aセンター採用HPより抜粋
【Q1】経営者への営業経験がない
現職では、経営者への営業活動を行わない法人営業に従事しております。その場合、M&A仲介会社(M&Aコンサルタント)へ転身するための応募要件に合致しないのでしょうか?
【答え】
経営者、経営層への営業経験がある方が望ましいですが、必須要件ではございません。但し、それに変わる経験や実績を通したアピールが無ければ、書類選考、また面接選考通過が難しいのも事実です。
でしたら、成績上位者、若しくは表彰歴がある方に限られますが、応募は可能です。
【Q2】新規営業の経験がない
既存顧客対応メインで、新規営業活動の経験がありません。その場合、M&A仲介会社(M&Aコンサルタント)へ転身するための応募要件に合致しないのでしょうか?
【答え】
その場合は、
のいずれかのご経験が必要となります。 また、先の回答同様、所属する営業組織内で、成績上位者、若しくは表彰歴がある方に限られます。また、その仕事を通して、M&Aコンサルタントとして成果を出せるための経験をどれだけ積んだが否かも応募書類を通して見極められます。
【Q3】営業経験年数が少ない
営業経験が1年ほどなのですが、M&A仲介会社(M&Aコンサルタント)へ転身するための応募要件に合致しないのでしょうか?
【答え】
大手金融機関(メガバンク&大手証券会社)在籍者と、具体的な企業名となりますが、キーエンス社以外の方の場合、書類選考通過が難しくなります。もし2年目でらっしゃる場合は、2年を経過した後のほうが、可能性が高くなります。大手証券会社の営業職、メガバンクの法人営業職の方等の場合、2年に満たない方でも営業成績如何では、書類選考通過の可能性がございます。
尚、この点に関しましては、募集状況次第で選考基準に差が発生いたしますので、個別でご相談いただけましたらと思います。どちらにしましても、現職で高い成果を残されている方が条件となります。
【Q4】営業成績が良くない
営業成績が芳しくないのですが、やはり、M&A仲介会社(M&Aコンサルタント)へ転身するための応募要件に合致しないのでしょうか?
【答え】
全ての時期において、優秀な成績を収めていることが必須ではございませんが、【目標達成】に加えて、
など、目立った成績、成果を残している方を欲している傾向が強いため、目に見える成果を残してから、応募をする、という方法もひとつかと思います。 但し、上記についても変化があり、M&A仲介会社各社の募集状況、M&A仲介市場の状況、応募者のご経歴を拝見しての総合判断など、時期や個人個人のケースで異なります。
【Q1】M&A業界は激務である
M&A業界について調べると「激務」というワードが出てきます。やはり各社非常にハードワークが求められ、長時間の残業をすることになるのでしょうか?
【答え】
M&Aコンサルタントの仕事が楽な仕事ではないのは事実ですが、就業環境、労働時間は各社によって大きく異なり、業界全体でM&Aコンサルタントが激務であるということはございません。
残業時間について開示をしている企業様の中では、10時間台後半、25時間、30時間ほど、月平均40時間など、一般的な企業の営業職と近しい労働時間、残業時間である場合も多く、土日祝日も完全にお休みであることが一般的です。
但し、突発的な業務、顧客対応が求められるケースがあること、対応顧客の各フェーズの重要な局面で、ある程度残業をして対応を進める必要があるケースはございます。
【Q2】M&A業界は出張が多い
M&Aコンサルタントは、毎週出張する、と聞いていますが、本当でしょうか?それは日帰りが多いのでしょうか?
【答え】
こちらも所属企業・配属部署で大きく異なりますが、多い企業様ですと、毎週出張するのは事実です。東京に拠点を設けている企業様でも、全国各地の企業様へアプローチを行っておりますので、社長様との商談時に、新幹線や飛行機を利用して、お客様先へ直接足を運びます。尚、拠点を増やして、各拠点からアプローチをする形態をコロナ禍で取ったM&A仲介会社様もございます。また、必要に応じて、またご要望に応じて、オンラインでのコミュニケーションツールを活用した商談も行われております。
契約締結、トップ面談など、対面でのコミュニケーションや対応が必須のケースも多々ございますので、ある程度、営業活動が進みだした際には、一定頻度で出張が発生すると思います。尚、翌日同地域でのアポイントが無く、帰れる時間帯であれば、日帰りとなります。
【Q1】M&A業界に入ったあとのキャリアパスはあるのか?
M&Aコンサルタントとして従事した後、その後のキャリア(キャリアパス)はどのようなものが考えられるのでしょうか?
(答え)
M&Aコンサルタントとして、引き続き活躍し続けるケースが多い印象です。
但し、担当業界(領域)を絞って自身の専門性を高めたり、成約実績の経験値を蓄えた後に、ある程度、働き方(労働時間等)の調整が利きやすい環境(同業他社)に移られたり、ご自身の向き合いたい領域・顧客ゾーンと働き方や待遇とのバランスを考えながら、M&Aコンサルタントとして活躍し続ける方が多くなっております。また、新規参入企業が増えていることもあり、M&A事業の新規立ち上げメンバーとして経験を買われて、他社へ転職・移籍するケースも散見されております。
また、割合としては多くはございませんが、上場企業の経営企画等で、M&Aに従事されるケースもございます。日々経営者と商談を行う仕事ですので、そうした経営者とのお付き合い、営業活動を通してできたネットワーク、繋がりから、お誘いを受けるケースはあるようです。
他のケースですと、M&A仲介会社自体が、M&Aを実施するケースが増えており、子会社の経営を任されるというキャリアパスも生まれております。
【Q1】なぜ、M&A業界の上場企業各社は平均年収が高いのでしょうか?
M&A仲介会社の平均年収が高い理由を教えてください。
(答え)
M&Aは、無形商材のビジネスのため、設備投資などに費用が発生せず、M&Aコンサルタント(や会計士・弁護士などの専門職、バックオフィスの社員)の人件費、出張などの諸経費、また、提携先に成約時に支払われる紹介料以外に大きな費用負担がございません。
1件の成約で発生する売上(手数料)は数千万円に及び、大型案件のM&A成立時には、1件で1億円を超えるケースもございます。故に、1社員あたりの売上・利益が高い企業様ですと、それだけ給与還元できるようになっております。
M&Aの成約(会社の売上)が、所属するM&Aコンサルタントの能力・スキルに依存するため、成果を上げた社員に対して、売上の10%、高い企業様ですと、20%を超えるような高還元のインセンティブを用意しています。
【Q2】年収とインセンティブが高い企業を選ぶ方が多いのでしょうか?
M&A業界に入る方は、年収とインセンティブが高い会社を選ぶ方が多いのでしょうか?
(答え)
必ずしもそうではございません。
仕事の進め方や顧客へのアプローチ方法が異なるケースもございますし、働き方も各社で異なります。また風土・文化も個々の企業で異なります。
(営業・ソーシング活動の仕方)
(業務の進め方)
での仕事の進め方や求められる能力・スキルは異なりますし、
(社内リソースの充実度合い)
では、案件対応量、労働時間や工数で差が発生いたします。
こうした要素も加味しながら、年収とインセンティブのお話も考慮に入れつつ、最終的に転職先を決めています。
【Q3】初年度は、どの程度の年収提示が多いのでしょうか?
ベースの年収が低く、インセンティブで稼ぐ印象が強いのですが、初年度はどの程度の年収提示が多いのでしょうか?また、最終的な着地はどの程度になると思ったほうがいいのでしょうか?
(答え)
M&A仲介会社の年収提示で多いのは、下記の給与提示です。
ベース給与について、現職年収を考慮される先ですと、
と、ベース給与をある程度考慮して、給与提示をされます。尚、前者の方がインセンティブの割合が高く、ベース給与を考慮する企業様の場合は、インセンティブが低く設計されているケースが多くなっております。
その他、M&A業界、M&Aコンサルタントへの転職に関するご質問、ご相談は、個別相談を承ります。
転職成功事例
(1)金融機関出身者
(2)メーカー出身者
(3)人材サービス企業出身者
2019年は過去最高4,000件超え
直近3カ年のM&A件数推移
事業承継問題とは...
(1)オーナー経営者の高齢化の問題
(2)後継者不在
事業承継M&Aは、2年間で2倍増
■KDDIのM&A(の一部)
■その他、近年のM&A事例
成約金額別に大きく3つに分類されるM&A市場
■売り手企業(譲渡企業)のSTEPとして
■買い手企業(買収企業・譲受企業)のSTEPは
【売り手企業(譲渡企業)補足説明】
-無料で簡易企業評価を実施したり、同業のM&A事例提供、M&Aについての各種ご相談、ご質問を承ります。
-M&A会社側は、様々なヒアリングを行い(会社について、オーナー経営者様について、なぜM&Aを検討しているのか(売却検討目的)、M&Aを行う上での希望、譲れないこと等)、同時に、リスク(情報漏洩、売却に至らない、希望額に届かない等の可能性)についての説明を行います。
-譲渡(検討)企業様側は、やり取りを通じて、どのM&A仲介会社、M&Aアドバイザリーに依頼をするか(どのM&Aコンサルタントに依頼するか)を見極める場となります。
-M&A仲介会社、M&AアドバイザリーとM&Aを進めることを決めた場合に結ぶ契約書になります。業務範囲(スケジューリングなど各種調整、企業価値評価算定、企業概要書作成、候補企業の探索、候補先企業の情報提供、契約書のドラフト作成、条件交渉など)、報酬(着手金の有無、中間金の有無、成功報酬、最低報酬額など)、有効期限、秘密保持、免責事項等が記載されます。また、契約には、「専任契約」と「非専任契約」があり、専任契約の場合は、契約を締結したM&A会社のみと(契約の有効期限内は)M&Aを進めていく形となります。
-オーナー経営者へのヒアリングと資料提供(決算書3期分等)を基に、企業価値評価を行います。収益性や財政状態、成長性、業界特性、経営計画など様々な情報を基に試算します。
【参考】買収監査(デューデリジェンス)について
デューデリジェンスも多岐に及んでおり、
などがあり、業界・企業毎に行う内容が異なります。
【参考】M&A譲渡契約書/最終契約書の主な記載事項
【参考】売り手企業側が実施する、従業員へのアナウンス
業務内容
人材要件
年収・待遇
業務内容
人材要件
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