【中途採用事情】M&A業界(M&A仲介会社等)の中途採用手法、人材要件、選考、採用人数について | M&A業界の転職エージェントがご説明いたします。
このページは、M&A業界の経営者、M&A事業の責任者、人事採用担当者の皆さまの参考になればと、M&A業界の中途採用手法や人材要件、選考方法などについてまとめております。
尚、採用側目線での記事になってはおりますが、M&A業界へ転職を希望される方にも参考になりましたら幸いです。
【1】M&A業界(M&A仲介会社等)の中途採用手法
- 人材紹介会社、転職エージェントの活用
- 求人媒体の活用(ビズリーチなどによるダイレクトリクルーティング)
- リファラル採用の活用
【2】M&A業界(M&A仲介会社等)の人材要件
- 営業力重視
- 金融業界出身者
- M&A経験者(M&A仲介会社、金融機関、事業会社、コンサルティングファーム)
- その他
【3】M&A業界(M&A仲介会社等)の選考
【4】M&A業界(M&A仲介会社等)の採用状況
- M&A仲介大手3社(日本M&Aセンター、M&Aキャピタルパートナーズ、ストライク)の採用動向
- その他
1.中途採用手法
主に3つの手法で中途採用を実施
M&A業界(M&A仲介会社等)の中途採用は、主に3つの手法で行われております。
- 人材紹介会社、転職エージェントの活用
- 求人媒体の活用(ビズリーチなどによるダイレクトリクルーティング)
- リファラル採用の活用(前職の同僚を誘う)
人材紹介会社、転職エージェントの活用
まず最初に挙げました、人材紹介会社、転職エージェントを活用しての中途採用。こちらを中心に据えている企業様が多い印象で、
- 大手・準大手人材紹介会社 数社
- 金融・コンサル業界などに強い転職エージェント 数社
- M&A業界に注力をしている転職エージェント 数社
などと関係強化し、毎年度の中途採用計画を成功させようとパートナーシップを組んでらっしゃいます。
求人媒体の活用
2番目の求人媒体の活用ですが、求人掲載をするのはもちろんのこと、主体的に候補人材にスカウトメールでお声がけをする、(ビズリーチなどの)ダイレクトリクルーティングの活用も行っている様子が伺えます。
(※当社でも、面談をしたM&A業界への転職を志望される候補者様から、企業様から直接転職サイトでもメッセージ、スカウトが届きました、というお話を時折伺います。)
リファラル採用の活用
3番目のリファラル採用の活用ですが、こちらは、多くの企業様で実施されております。
ターゲットの経験、バックグラウンドがある程度狭いこともあり、前職、前々職の同僚を誘う動きは、大手から中小ブティックまで多く見受けられます。
コロナ以前は、前職の同僚をランチや飲みに誘って、自社に来ないか?、ウチの話を聞いてみないか?、というアプローチをされていた印象ですが、コロナ禍でそうした形でのアプローチが現実的に難しくなっていることと、現場コンサルタントも目の前のお客様の対応で非常に多忙であることも相まって、コロナ前との比較では、リファラル採用活動の促進は、トーンダウンしている印象がございます。
尚、コロナ禍で実施している企業様は、オンラインを積極活用しており、人事や部長、役員とのカジュアル面談をオンラインで実施したり、オンライン会社説明会、オンラインセミナーへ、元同僚の方をお誘いする方法などを取っております。
次に、M&A業界、M&A仲介会社各社の中途採用のターゲット、人材要件について、記載いたします。
2.人材要件
主流は営業力重視か金融経験・金融知識重視の2つ
M&A業界、特にM&A仲介会社は、経験者がまだまだ少ないこともあり、基本的にはM&A実務未経験を多く中途採用します。そのため、M&Aの実務経験が不問ではあるのですが、一方で、営業力、金融業界での経験については求められるケースが多くなっております。
パターンとしましては、
(1)営業力重視型
(2)金融業界経験重視型
のいずれか2点が多く、
ブティック型のM&Aアドバイザリーでは、少数精鋭故、
(3)M&A実務経験者の採用を主体としており、次いで、先に挙げた(2)金融業界出身者の2パターンが多いですが、
(4)特定業界への知見、経験値の有無
(5)有資格者、学歴重視型
で、中途採用をされているケースも一部ございます。
それぞれ下記に補足をいたします。
(1)営業力重視型の場合
- TOP(クラス)の成果、成績を直近在籍企業で挙げていること
- 瞬間的な成果・実績ではなく、継続的に高い成果を残していること
- 経営者、経営陣、部門責任者などとの折衝が発生する営業職に従事していること
- 意思決定が容易ではない高額商品や複雑性の高いソリューション営業を経験していること
(2)金融業界経験重視型の場合
- メガバンク、地銀での法人営業(RM)経験者
- 一定レベルの金融知識が備わっている方(財務諸表が読める、オーナー経営者様の財務面でのご相談に乗れるレベル等)
(3)M&A実務経験者の場合
- M&A仲介会社、M&Aブティックで、複数件ディールを経験している方(経験期間、成約件数、規模感、担当業界など)
- 銀行・証券のM&A専任部署でソーシング~エグゼキューション業務に携わっていた方
- 事業会社のM&A担当者として、案件のソーシングを自社で行い、クロージングまで自ら手掛けた経験のある方
(4)特定業界への知見、経験値の有無
- 製造業での営業経験を持ち、製造業のM&Aに従事する上での基礎知識や理解がある
- ソフトウェア業界での営業経験を持ち、ソフトウェア業界のM&Aに従事する上での基礎知識や理解がある
- 医療業界での営業経験を持ち、医療業界のM&Aに従事する上での基礎知識や理解がある
(5)有資格者、学歴重視型
- 公認会計士資格を保有する方(例:監査法人在籍中の若手層など)
- 東京大学、京都大学、一橋大学卒などの第二新卒層
3.選考(書類・面接・適性検査)
書類選考で厳密な基準を設け、面接選考で活躍可能性とフィット感を確かめる
他業界の一般的な選考フローは、【書類選考】→【1次面接】→【2次面接】→【最終面接】という流れが多いのですが、M&A業界の選考は各社独自性がございます。
一例としまして、日本M&Aセンター様の選考フローを共有いたしますと、
- 書類選考
- 1次面接
- 作文提出&適性検査
- 2次面接
- 課題提出
- 最終面接
という流れとなり、独特の選考方法を取ってらっしゃいます。
面接自体は、多くのM&A仲介会社の場合、概ね2回~3回実施されますが、いきなり1次で社長様が出てこられるケースも多く、経営者、経営陣が採用へコミットしている印象が伺えます。
選考に関して、時折、人事担当者様から受ける質問を、参考までに下記に共有いたします。
【質問1】選考は対面、非対面どちらが多いか?
コロナ禍においては、オンライン面接を活用した、非対面実施を組み入れている企業様が多いです。ただし全てオンラインの企業様は少なく、最終などの選考では、対面実施が多くなっております。
1次面接など初期フェーズをオンライン面接、2次面接以降の中盤~終盤フェーズで対面実施のケースがあったり、 初期段階で社長様が面接対応される企業様は、1次から対面実施のケースもございます。
【質問2】リファレンスチェックを実施している企業はあるか?
M&A仲介会社では、あまり実施されていない様子ですが、経験者の場合、実施している企業様はございます。
【質問3】適性検査実施の有無は?
実施していない企業の方が当社の印象では多いですが、実施されている先も複数社ございます。但し、合否判定において重視をしている印象はあまりございません。
4.中途採用状況
コロナ禍においても積極採用をされておりますが、応募者も多く集まっていることもあり、結果、厳選採用にはなっております。
未上場企業の場合、事細かな数字は把握が難しく、且つ開示が難しいですが、M&A仲介会社の大手3社は上場企業として、コンサルタント数を開示しておりますので、下記に記載させていただきます。
【参考】M&A仲介大手3社のコンサルタント数 推移
日本M&Aセンター
2017/03 217名
2018/03 264名(+47名)
2019/03 328名(+64名)
2020/03 390名(+62名)
M&Aキャピタルパートナーズ
2017/09 51名
2018/09 64名(+13名)
2019/09 80名(+16名)
2020/09 100名(+20名)
※子会社であるレコフ社の数字
2017/09 33名
2018/09 44名(+11名)
2019/09 46名(+ 2名)
2020/09 51名(+ 5名)
ストライク
2017/08 39名
2018/08 47名(+ 8名)
2019/08 84名(+37名)
2020/08 93名(+ 9名)